▼大里峠
「大里峠」は、関川村に古くから伝わる大蛇伝説です。
座頭蔵市が郷へ帰る途中、大里峠で野宿をしていた時の事。ほこらの前で琵琶を弾いていると、「もう1曲聴かせて」と女の声がして、盲目の蔵市はいぶかりながらも曲を続けると、名曲に聴きほれた女が身の上を語り出します。自分は以前、荒川の支流で家族と暮らしていたが、蛇の味噌漬けを食べて大蛇の姿になってしまった事。いずれは荒川を氾濫させ、一帯を泥の海にして自分の住処にする企みである事を告白。しかし、計画を他人に漏らせば命は無いと付け加えました。
驚いた蔵市は峠を下り、村へ着くと大庄屋の三左衛門家(渡邉邸)を訪れて一部始終を告げ、息絶えてしまいます。話を聞いた村人たちは、大里峠一帯に蛇の嫌いな鉄釘を打ち込み、7日7晩かけてようやく大蛇を退治したのでした。
そして、命がけで村を救ってくれた座頭蔵市を大蔵神社にお祀りし、蔵市の形見の琵琶をご神宝として祀ったのであります。
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